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神戸市の特殊災害対応体制



神戸市では、地下鉄サリン事件や原発事故に代表される様なNBC災害(=放射線、核 =生物剤 =化学剤)に対応する為、
市内5ヵ所(東灘区・中央区・北区・兵庫区・西区)に専門部隊「特殊災害隊」及び「方面特殊災害隊」を配置しています。
普段からガス漏れ事案や異臭、硫化水素による自殺や有毒ガス災害等に対応しています。





通称:本部特災
(ほんぶとくさい)
中央消防署に配置され、1997年に市内で一番最初にできた特災隊です。
現在は消防局警防部直轄の部隊として特別高度救助隊と共に中央消防署に配置されています
市内に5隊ある特殊災害隊の内の1隊で、1隊4名編成、全員が特殊災害に関する国家資格を有した隊員で編成されています。
ポンプ隊と同じ活動服で、左肩に特殊災害隊の隊員であることを示すのエンブレムが付けられています。

車両も専用の「特殊災害対策車」(総務省消防庁からの貸与車両)と呼ばれるバス型の車を使用しています。
この車には車内中央に陽圧式の分析室が備えられ、有毒ガス等が外部から侵入することを防げる構造となっています。
先代の特殊災害対策車もバス型で、当時は全国で初めて車内に分析室を備えた車両としてデビューしました。
新型車にその役目を譲り渡した今でも、廃車にされず、予備車として活躍しています。

特殊災害事案が発生した際は、専任救助隊や特別高度救助隊の隊員と協力して活動し、
要救助者の救出、除染、物質の分析、特定などを行います。
特殊災害隊にはハズマットIDやガスIDと呼ばれる分析装置や放射線測定器、
各種防護服など様々が配備され、それぞれの性質に応じた対応を行います。












通称:方面特災
(ほうめんとくさい)
市内に5隊ある特殊災害隊の残りの4隊で、ポンプ隊と兼任している部隊です。
中央消防署配置の本部特災隊が到着するのに時間を要する地域を中心に配置されています。
当初は北区と西区の2隊だけでしたが、09年に東灘区、10年に兵庫区にも発隊し、特殊災害対応力が一層強化されました。

1隊4名、全員が特殊災害に関する国家資格を有した隊員で編成されます。
本部特災同様、ポンプ隊と同じ活動服で、左肩には特殊災害隊のエンブレムが付けられています。
車両は吸管を左側だけにして資機材積載スペースを広く設けたCD-T型ポンプ車を運用しています。
この方面特殊災害対策車には、各種測定器などのほか、車上積載ボックス内に陽圧式化学防護服が常時3着積載されています。


普段はポンプ隊扱いのため火災事案やその他事案にはポンプ隊として出動しますが、
ひとたび特殊災害事案が発生すれば、特殊災害隊として出動します。
基本的にはまずは本部特災が到着するまでの初期的な対応を行い、
本部特災到着後は連携して本格的な活動を行うという流れになっているようです。











先着隊によって変わる活動方針
NBC災害に対応出来る部隊は先述の特災隊5隊の他にも、特別高度救助隊、専任救助隊があります。
やはり本部特殊災害隊と特別高度救助隊が協力して活動するのが一番望ましいのですが、現場が遠い場合などはそうはいきません。
となると、先着隊の中でNBC災害に対する活動を行えるのは、発生場所に一番近い専任救助隊、又は方面特災隊になります。
以下の表は、それぞれ先着隊が異なる想定で、その時々の活動を記したものです。
実際には北区や西区などの遠隔地、本部特災隊や特別高度救助隊が別件出動中などでない限り、
本部特災隊や特別高度救助隊は比較的早く到着するといわれています。
そのため先着隊が活動開始後、ゾーニング〜物質の検知を行っている辺りで本部特災隊に活動が引き継がれる事が考えられます。
その場合は、先着隊はウォームゾーンやコールドゾーンでの活動に切り替える事になるそうです。


先着隊 先着隊の活動内容
特殊災害隊+
特別高度救助隊
ゾーニング実施、特災隊が物質の検知、特定、漏洩防止。特別高度救助隊が救出活動を実施。
特殊災害隊 ゾーニング実施、物質の検知、特定、漏洩防止を行いつつ、専救か特別高度救助隊の到着を待つ。
方面特災隊 ゾーニング実施、物質の検知、特定、漏洩防止を行いつつ、専救や本部特災隊の到着を待つ。
専任救助隊 ゾーニング実施、物質の検知を行いつつ、同時に救出活動を実施。
署救助隊 ゾーニング実施、避難誘導を実施しつつ、専救か特災隊の到着を待つ。

管理人調べのため完全に正確なものではないですが、概ねこの様な方針で活動が行われるようです。





神戸市の特殊災害隊一覧

  部隊名 車体番号 設置場所 管轄地域 発隊日
本部特殊災害隊 神消21 中央消防署 市内全域 平成9年10月
西方面特殊災害隊 西21 西消防署伊川谷出張所 西・垂水 平成17年4月
北方面特殊災害隊 北21 北消防署山田出張所 平成17年4月
東部方面特殊災害隊 東灘21 東灘消防署青木出張所 東灘・灘 平成21年4月
中部方面特殊災害隊 兵庫21 兵庫消防署運南出張所 兵庫・長田・須磨 平成22年4月

これほどまでに特殊災害対応部隊・体制が充実している都市は、東京都などを除き全国的に見てもほとんどありません。




神消22

センター29

センター29は大型除染システム搭載車と呼ばれる車で、2010年4月に神消21と同時に総務省消防庁から貸与されました。
この車は神戸市民防災総合センターに配備されており、特別消防隊(消防音楽隊)が運用しています。
コンテナには大きな除染テントやシャワー装置などが収められており、現地で組み立てて被災者の除染活動にあたります。

神消22は水上消防署車庫に予備車として置かれています。














            








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