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No.3 火事の時、消防車はどのぐらい来るの?
(2013年9月時点)



突然ですが、あなたは
火災現場に遭遇した事があるでしょうか?
あると言う方、その時、現場に集まってくる消防車の数は多いと感じましたか?少ないと感じましたか?
良くあるのが、火災の時に来る消防車は1台か2台ぐらいだと思っていて、実際に来た台数に驚くという事。
確かに、小規模消防本部になると建物火災でも第一出動でポンプ車2台程度しか出動出来ないと言う所もあります。
しかし、逆に規模の大きい消防本部になると、建物火災第一出動で10〜15台ほどの車両が現場にやってきます。
そしてそれらはポンプ車だけでなく、指揮車や梯子車、救助車、救急車などの様々な車両で構成されています。
またそれぞれの車両には専門の部隊が乗っており、現場では指揮隊の元で連携して消火活動を展開していきます。

さて先程から文中に出てくる
「建物火災」「第一出動」と言う言葉ですが、
これは災害の種類と出動隊の規模を表すものです。「建物火災」はその名のとおり建物の火災。
さらに神戸市の場合、おおよそ5階以下の建物を建物火災、それ以上を高層建物火災と分類しています。
他にも林野火災や船舶火災、電車火災、その他火災、火災以外では水難救助や山岳救助など色々あります。

また「第一出動」とは出動区分の一つで、火災通報を受けて一番最初に出動することを言います。
消防本部には、それぞれ自市の保有する車両数や部隊数などに応じて決められた「出動区分」と言うものがあります。
災害が発生した場合、その現場に近い順から事前に決められた種類と台数をコンピューターが自動的に選び出し、
それらの車両に出動指令が下されます。つまり火災通報を受信して一番最初に出動する車両数がこれになるため、
たとえボヤであっても、建物の火事である以上は建物火災第一出動として何台もの消防車が現場へ向かいます。


そして第一出動の隊で対応出来そうにない災害に対しては、
「第二出動」、「第三出動」と追加出動を掛けていき、
最終的にはかなりの台数が現場に集まることになります。
もっと規模の大きい本部だと「第四出動」まで存在し、
東京都や大阪市だと50台以上の車両が集まります。


逆に規模の小さい本部になると第二出動までしか存在しない場合や、第一出動以降は非番招集で対応するなど、
災害に対して出動する車両数は消防本部の規模によって大きく変わってきます。
またこれらは建物火災に対しての話ですが、その他火災や救助事案など、災害の種類によって台数は異なります。




さて、それではここからは、我々の住む神戸市の場合を見てみましょう。
神戸市は人口154万人を抱える政令指定都市であり、その消防組織も“大規模”な部類に入ります。

実際に神戸市の消防力が人口に見合った完璧なものであるかと言えば、必ずしもそうとは言えません。
 しかしこれは全国(東京や京都を除く)どこでも同じ様な状況であり、主な原因は財政難にあります。
 ただその様な状況下でありながらも、神戸市における消防に割り振られる予算はかなり優遇されている方だと言えます。


神戸市には、
指揮隊が11隊、消防隊が27隊、救助隊が11隊、特殊車隊が7隊、救急隊が32隊、特殊災害隊が1隊など、
数多くの部隊が配置されています。
それでは、神戸市内で建物火災が発生した場合の出動隊数や部隊の種類について、図を使って見てみましょう。
神戸市には第四出動は無いため、上から順番に第一出動〜第三出動までとなります。

ただし出動台数などは、本部の方針によって不定期に変更される事がありますので、これが最新とは限りません。




指揮隊は、現場で出動全隊の指揮を執ります。全ての隊は、指揮隊の指示の下で活動します。
消防隊は、現場に到着次第、直近の消火栓から水をくみ上げ、ホースを伸ばして消火活動を開始します。
救助隊は、取り残された要救助者が居ないかどうかを確認し、屋内進入して人命検索、救助に当たります。
特殊車隊は、梯子車が使える現場であれば梯子を伸ばして放水や、夜間であれば照明活動を行います。
救急隊は、現場で負傷者が発生した場合、すぐに処置を施して医療機関へ搬送します。
航空機動隊は、上空から特殊なカメラを使って熱源を探知したり、飛び火警戒などを行います。
        建物火災第一出動からヘリを出す本部は数少なく、全国トップクラスの出動回数です。







第二出動の消防隊は、第一出動隊の活動を支援したり、別の方面からの放水、水損防止等を行います。
第二出動の
救助隊は、救助活動に参加し、人命検索の必要が無くなれば消火活動に参加します。
第二出動の
特殊車隊は、空気充填照明車により空気呼吸器用の空気ボンベに空気を充填します。
特殊災害隊は、指揮隊に合流して指揮支援を行い、特殊災害が発生すれば特殊災害隊として活動します。





第三出動の
消防隊は、消火活動に参加し、延焼阻止などにあたります。





図の通り、神戸市の場合、第一出動で12隊、第二出動で19隊、第三出動で23隊の部隊が集まる事になります。
しかし第三出動まで掛かる事はほとんどなく、多くの場合が第二出動までで事足ります。
第二出動で足りない場合でも、それに「特命出動」という形で1隊単位で追加出動させて対応することの方が多く、
第三出動が下されることはめったにありません。また、ヘリコプターは日中の災害にのみ出動します。


さて、見て頂いた図は建物火災の様子でしたが、火災の種類には他にもたくさん存在します。
そしてそれぞれに合わせて出動車両数や種類が決められており、それに伴い出動台数は変動していきます。
また、消防が出動するのは火災だけではありません。救急や救助など、様々な災害に対応しています。
その都度出動する車両や部隊は違いますが、みな「人の命と財産を守る」為に活動しています。

もしあなたが災害現場に出くわした場合は、すぐに119番通報をして下さい。
可能であれば、火災なら初期消火を、救急なら応急手当をお願いします。
あなたの行動が尊い命を救います。




以上、「火事の時、消防車はどのくらい来るの?」でした。




            








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