神戸空港消防隊

今回は、神戸空港を管轄する空港消防隊を紹介します。
神戸空港消防隊は、空港での万一の航空機災害に備えて設置されており、大型化学車等を運用しています。
神戸空港の消防業務は、神戸市が専門の民間企業(株式会社セノン)に委託する形をとっています。

あくまで自衛消防隊であるため活動は初期消火が主となりますが、乗客の救出活動も行う事になっています。
神戸空港に一番近い神戸市水上消防署から消防隊が到着するまでには約5分〜10分掛かるため、
それまでの間、消火活動を行う事になります。もちろん、市消防が到着後も連携して活動を継続します。
なお、市消防到着までは空港消防隊隊長の指揮下で活動し、市消防隊が到着後は消防の指揮下に入ります。
無線は空港消防隊専用の無線と航空無線のみを使用している為、消防無線は受信しか出来ません。
そのため市消防局消防隊の到着後は、現場に設置される現場指揮所にて市消防局との調整を行い、
神戸空港消防隊隊長が無線を中継する形で、市消防と空港消防隊隊員間の意思疎通を図ります。

航空機事故発生の際は、事故機の風上に指揮所と救護所が設営されます。
航空機火災に対応する場合は空気呼吸器+耐熱服の装備となり、防火服時は呼吸器は着装しません。
消火活動は車両の放水砲からの放水が主となり、ホースを持って機内進入することはまず無いそうです。
救護所には医療搬送車に積まれた救急資器材が用意され、中央市民病院のドクターが治療にあたります。

空港消防隊の管轄は滑走路とその周囲の敷地であり、ターミナルでの建物火災などは管轄外となります。
そのためターミナルでの災害はすべて神戸市消防局の管轄となり、空港消防隊は出動しません。
せっかく消防車もあるのにどうして消火に当たらないのかと言いたくなりますが、そもそもの空港消防隊の
存在目的は航空機災害に対応する事であり、何があっても常に航空機に目を光らせる必要があるのです。
(特別にターミナル内への出動要請があった場合は除く。例:水上管内で災害発生中により到着遅延等)

空港消防隊の出動体系は以下の3種類に分けられます。なお、基本的に最初から全車両出動します。
第1種出動=車庫前で乗車して待機
第2種出動=滑走路脇の待機場所まで移動して待機
第3種出動=災害が発生している場所・航空機まで直行

勤務は空港が開港している間のみの為、朝6:30〜夜10:00までとなります。
普段は常時8名が勤務しており、乗車人数は画像横の説明書きに記載しています。

日々の訓練も欠かすことなく行われており、年数回は神戸市消防局との連携訓練も行われています。



神戸空港
空港消防所
(署ではなく所)
ファイヤーこうべ1

空港用
大型化学車
12500L級


2人乗車

10.10.17現在
ファイヤーこうべ2

空港用
大型化学車
6000L級

2人乗車

10.10.17現在
ファイヤーこうべ3

空港用
大型化学車
6000L級

2人乗車

10.10.17現在
ファイヤーこうべ4

水槽付消防
ポンプ自動車
8000L級

1人乗車

水利部署し、
大型化学車へ
中継送水

10.10.17現在
ファイヤーこうべ5

医療搬送車

1人乗車

B777-200クラスの乗客75%に対応可能

10.10.17現在
ファイヤーこうべ6

指揮車

みなと総局の
職員が乗務

10.10.17現在
活動服

種類は2種類
全員オレンジ色
防火ヘルメット
防火服
耐熱ヘルメット
耐熱ズボン